昨年下旬に当院は11周年、病児保育室うららは4周年を迎えました。いつもご利用いただきまして誠にありがとうございます。
以前、ある番組で障がいのある方の雇用についての話がありました。現在はその分野では日本有数の企業になっている会社の話ですが、社員の70%が何らかの知的障がいを持つ方だそうです。
ある養護学校の先生から「せめて一度だけでも働く体験をさせてやりたい」と懇願され、当時の社長さんが2人の障がいを持つ方を期間限定で雇ったのがきっかけだそうです。何かの偶然で社長さんが禅寺のお坊さんと話す事があり、その時、お坊さんから「人間の究極の幸せは、1つは愛されること、2つ目はほめられること、3つ目は人の役に立つこと、4つ目は人に必要とされることの4つです。福祉施設で大事に面倒をみてもらうことが幸せではなく、働いて役に立つ会社こそが人間を幸せにするのです」と教えを受け、それを念頭に半信半疑で様々な実践をしたところ、社員が本当に生き生きと働き、辞める人もいなくなったとのことです。
これは私自身を含むこもれびとうららのスタッフにもあてはまる事かもしれません。私たちが心から子ども達の心身の健康や幸せを願い、誠意を持って様々な問題に対応する努力をする事で、患者さんから上記の4つが得られ、自分たちもまたやりがいを感じ幸せになっていくのではないかと思います。
私自身は、本年5月に医師生活30年目を迎えます。飽きやすい自分が、よくここまで続けられたと思います。途中、何度も辞めたいと思ったことはありましたが、色んな想いや状況から辞められずにここまで来てしまいました。考えてみると、ここまで来る間に上記4つの事に関して、患者さんにとっての自分はどうだろう?という疑念が常につきまとってきたような気がします。
自信を持てないと言うことは、恐らく、自分にはまだまだ足りないことが沢山あるのだと思います。少しでも、それらに自信が持てるようになれるよう、今後も努力していきたいと思っています。
丹 哲士
こもれび11周年うらら4周年集合写真